こんな絶景の写真を撮った日のこと。
一見「学生たちのサークル活動の一コマ」とも見えるこの状況。
今回は少し違ったニュアンスを感じました。
地方に人を呼びたい。
地方出身者。
地元のこれからが心配。
住んでいる地域が面白くない。
故郷が好きだ。
故郷を面白くしたい。
故郷以外で好きな場所がある。
仕事として「地方創生」の分野にいる。
そんな人に伝えたくて、残したいと思います。
〜今回は少し長文ですが、お付き合いください〜
「渡米プロジェクト」に参加しました。
大石田町から南に100キロ。
車で1時間30分・新幹線で1時間の場所、山形県米沢市で行われているプロジェクトです。
渡米とは?
「米沢に渡る」の意味です。
〜「地方でありがちな肩の力が入った取組みね」と思った方〜
〜もう少しお付き合いください〜
山形大学という国立大学があります。
1年生は山形市のキャンパスで一般教養を学び、
工学部の学生は、2年生から米沢市のキャンパスで勉強します。
山形市は県庁所在地で、山形大学以外の大学や高校も多くもあります。
若者が好きそうな文化も比較的ある地域です。
米沢市は、山形県では第2位の観光地がある地域。
「上杉神社」などは、観光のメインとなる場所です。
【出展:やまがたへの旅】
他の大学や高校なども必要数あるので、ものすごく静かな町ではないのですが、
山形市に比べると若者の数や他地域から流入する文化は少なくなるのかなと思います。
2年生に進学する際に、少し静かな地域へ移ることに皮肉を込めて、
「渡米」と、学生たちの中では言われていたそうです。
そんな中、「『ネガティブな渡米』を逆に面白がる仲間を増やしたい!」と、
東京都内の大学に通う学生が始めたものが「渡米プロジェクト」です。
1年生は山形市のキャンパスで一般教養を学び、
工学部の学生は、2年生から米沢市のキャンパスで勉強します。
山形市は県庁所在地で、山形大学以外の大学や高校も多くもあります。
若者が好きそうな文化も比較的ある地域です。
米沢市は、山形県では第2位の観光地がある地域。
「上杉神社」などは、観光のメインとなる場所です。
【出展:やまがたへの旅】
他の大学や高校なども必要数あるので、ものすごく静かな町ではないのですが、
山形市に比べると若者の数や他地域から流入する文化は少なくなるのかなと思います。
2年生に進学する際に、少し静かな地域へ移ることに皮肉を込めて、
「渡米」と、学生たちの中では言われていたそうです。
そんな中、「『ネガティブな渡米』を逆に面白がる仲間を増やしたい!」と、
東京都内の大学に通う学生が始めたものが「渡米プロジェクト」です。
私は途中参加で参加しました。
待合せ場所に行くと、10名ほどの学生が笑顔で迎えてくれました。
〜ここまでは、大学生との取組みでよくある光景〜
しかし、話をすると、
「初めての米沢です!」
「友達から聞いてきたんですが、友達は今日来ていません!」
「前回面白かったので、2回目来ました!」
米沢出身者は1名だけ。
他は、本州全域から「面白そうだから」という理由で、参加した人。
「いつものメンバー」ではなく、「昨日初めて会った」という人が半分以上のようでした。
学生たちは、レンタカーや夜行バスなどで現地に集まります。
移動にかかる費用は自腹です。
東京から320キロ。
新幹線で2時間(片道1万円)。
夜行バスで6時間。
時間とお金をかけて、わざわざ山形県まで来ているんです。
しかも、多い人だと月に何回も。
しかし、話をすると、
「初めての米沢です!」
「友達から聞いてきたんですが、友達は今日来ていません!」
「前回面白かったので、2回目来ました!」
米沢出身者は1名だけ。
他は、本州全域から「面白そうだから」という理由で、参加した人。
「いつものメンバー」ではなく、「昨日初めて会った」という人が半分以上のようでした。
学生たちは、レンタカーや夜行バスなどで現地に集まります。
移動にかかる費用は自腹です。
東京から320キロ。
新幹線で2時間(片道1万円)。
夜行バスで6時間。
時間とお金をかけて、わざわざ山形県まで来ているんです。
しかも、多い人だと月に何回も。
正直、最初は理解できませんでした。
「岩山」という行き先選び
学生と一緒に行ったのは、一念峰という岩山。
普段着の学生たちと坂を登ります。
途中の景色がいい場所や、頂上では学生は思い思いに過ごしながら、
学生同士が写真を撮り合っていました。
「(新型コロナウィルスの影響で)ディズニーがクローズしているけど、これディズニーっぽい!」
と、ディズニーシーで撮りそうな写真スポットを探す学生。
「え!めっちゃ、いい写真撮れた!」
と、私にスマートフォンを向ける学生も。
それぞれの目線で、好きに楽しみ、良い写真の撮り方を見つけていました。
コーディネートした人
リーダーを務めるのは、たつやくんという東京都の大学に通う男性です。(写真左)
顔も性格も爽やかイケメンです。
米沢市出身のたつやくんは、地元に学生を連れて行く際に「人と繋げたい」と思いました。
そこで話しかけたのが機会を紹介した、相田さん。(写真真ん中)
笑顔とダンディズムな髭がトレードマークです。
本業は、市の仕事ですが、プライベートで関わっています。
一人の「地域の大人」として、知っているヒト・モノ・コトを学生へ繋いでいます。
今回は、午前そば打ち、午後岩山という内容を選びました。
「すごい状況!」と思う4つのこと
①「出入り自由」を作る難しさ
冒頭に書いた「地方でありがちな肩の力が入った取組み」。
個人的には、「関わること自体のハードル」が相当高い取組みになりやすい思っています。
既に決めている理想や結果に対し、できる範囲で手段を探します。
そのゴールには「大石田町の◯◯◯」のような「地域名の◯◯◯」という場合も多くあります。
それ自体が悪いことではないのですが、地域を知らない場合はきっかけすら生まれません。
既に地域を知っている人が、動機を持って集まります。
既に地域を知らなければ、コトが進みにくい環境です。
「渡米プロジェクト」は、始めは「米沢に」から始めたことが、
徐々「米沢に」よりも「楽しい」が優位になっています。
「楽しい」
だからこそ、
「参加」を強要しない。
「関われる時に関わっていい」から「楽しい」。
だから、友達も誘いたくなる(自発的に広げてくれる)。
当日も、私のような途中参加・途中退散も受け入れ、参加者の中にも帰路の都合から既に帰った人もいたのだとか。
しっかり考えているのでしょうが、「肩の力」 が入っていない見せ方に見えました。
②ステレオタイプが良いわけではない。
例えば、「岩山」という場所選び。
実は、私は米沢市出身。
出身地ながら、知らない場所でした。
初参加の人がいるからこそ、米沢の「THE 名所」を選んでもいいかもしれません。
しかし、午前中には「そば打ち」をしたものの、
午後はとっておきの場所に行く。
結果、各々が「面白い」と思うスポット・遊び方を自分で探していました。
「用意された観光」や「用意された面白い」では、伝えられないことがあったように感じました。
③誰かが先頭に立たない。
驚いたのは、今では、特に誰かが「リーダー」や「事務局」のようなまとめ方をしていないのだそう。
冒頭にも書いたように、「友達が言っていたから」と新たな仲間が増えてます。
「共感」が仲間を作る、私たちが理想とした状況です。
「何人来た」とかの考えではなく、同じ考えを持った人が自然派生的に集まっています。
④「地域を面白がることができる」人たちが集まっている。
海外に何カ国も行っているメンバーも多くいました。
当日も、東北旅の途中に米沢を入れている学生がいたり、
距離や節約よりは、興味を持ったことに足をのばす人が多い感触です。
興味を持って沢山の場所を見るから、その場その場の楽しみを自然に見つけることができるんだなと思いました。
私は生まれ故郷にも関わらず、参加者から初めて知る地域の楽しさを沢山教えてもらいました。
「関係人口」という面から
この3年、ずっと考えていた「関係人口」という言葉。
「観光以上、定住未満」のこの関係。
人口減少が進む地域では、地域との接点を作る為、必須の考えです。
関係人口にも段階があります。
ザクッとまとめると・・・
こんな感じと言われます。
きっとこのプロジェクトにいた学生たちは、
ここあたりにいるのかなと思いました。
「渡米プロジェクト」では、あくまで個人的な活動だからできることもあります。
ただし、「楽しい」が連鎖を生み、地域への関心や関わりが深く作られている状況を目の当たりにしました。
そして、「関係人口の段階」以外にも「関係人口の時間」もあるということ。
参加の学生は、それぞれのペースで今後も「米沢市と関係し続ける」んだろうなということ。
それは、たつやくん自身が大事にしたかったということでした。
しかしながら・・・
地方の移住事業では、どうしても
すぐに「定住人口」を求めがちです。
「無関係・無関与」「特産品購入」段階の人を、急に「定住人口」にするのは、超絶至難の業です。
仕事として行う場合は、それなりの戦略や施策も必要。
結果も追う必要がありますが、この内容に関しては、「段階を確実に踏む為の戦略」が必要です。
今日、日本の地域が「関係人口」を意識し尽くしています。
「定住人口」が事業としてのゴールなのだとすれば、
これからは、関係人口の「質」や「深さ」を考えて求めていくことが必要なのではないでしょうか。
渡米プロジェクト関係の皆様、お誘いありがとうございました!!
「渡米プロジェクト」は、Instagram「@tobeiproject」から情報更新中!
ぜひご覧くださいね!!
※ブログ記事中の写真は、参加者に許可をもらい使用しています。
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