※2019年8月に下書きした内容です。
※更新できずにいた記事を少しずつ出していきます。



真夏の、太陽がまぶしい日の出来事です。

KOE no KURA前に出した看板を見ながら、施設のなかを伺っているご老人。
お会いしたことがない方だったので、「ご観光ですか?」と声をかけ中へ案内すると、
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「そば珈琲をひとつ。」とご注文を頂きました。

そば珈琲を出しながら「この町は特産がそばで…」「この町だけのそばの種類があって…」「この商品は…」とご説明すると・・・

実は、地元・大石田町に住む方でした。
訪れた95歳のおじいちゃんは、
町に配布しているお知らせプリントを読み、前から気にかけてくださっていたとのこと。
そば珈琲も、どのようなものか以前からご存知だったようです。

普段どんなコーヒーを飲んでいるかを聞き出し、少し蕎麦を多めにした配合で提供しました。



そば珈琲を飲み終え、一言。

「これ買えるのかな?」

KOE no KURAでそば珈琲を提供するときに使用しているのは、大石田焼次年子窯さんの作品。
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湯飲み茶碗と蕎麦猪口の間のような形で、お問合せをいただくこともとても多い器です。

おじいちゃんからも、ご自宅でお茶や珈琲を飲む際、時々そばを食べる際に使いたいと、ご注文を頂きました。



聞けば、お一人で暮らすおじいちゃんは、健康の為に毎日歩きながら周辺散策をしているとのこと。
散歩コースにあるKOE no KURAも気になっていた場所の一つになっていました。

大石田町の蕎麦文化を話す為のきっかけの道具として、そば珈琲を活用してきました。
そば珈琲の提供を通じて広がる会話は多くあります。

このエピソードは、地元に長く住む大先輩が、KOE no KURAでの出来事を通じて、
初めて体験するそば珈琲の味、初めて購入する次年子窯の作品に触れ、
これからも自宅での生活を楽しむひとつにして頂いたことでした。

「地域とソトをつなぐ」そんなことを考える割合が多かった中、
「地域とナカをつなぐ」ことができた、嬉しいエピソードでした。

そして、おじいちゃんとの会話を通じ、大石田町の人は、本当に町のそばが好きなんだなと再確認する時間となりました。